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MDA Future SuzuriのGBに参加しよう!

MDA Future SuzuriのGBを企画・運営している25KEYSのmonksoffunkです。
MDA Future Suzuriのキーキャップの紹介とともに、GBのお知らせをします
このキーキャップが気になった方や、GBに参加するってどういうことなんだろう?と疑問に思っている方はぜひ読んでみてください。

MDA Future Suzuriとは?

モダンなMDAプロファイルを採用

キーキャップ選びを始めるとまず最初に悩むのがプロファイルなるものです。プロファイルとは、簡単に言えば、列ごとに設定されるキーキャップの形状のこと。キーボードスイッチで有名なキーボードメーカーのプロファイルを受け継ぐGMKはチェリー・プロファイルを、シグネチャー・プラスティクスはDSAやSAなどのプロファイルを製造しています。現在では中国メーカーもチェリー・プロファイルやDSA、SAなどのキーキャップを製造していますし、XDAやMGなど新しいプロファイルもあります。そして、Future Suzuriが採用するこのMDAもまた比較的新しいプロファイルになります。

 

Profile Comparison by MelGeek

MelGeekが開発したMDAは、SAのように列によって高さや形状の異なるスカルプチャードと呼ばれる設計でありながら、高さを抑えたプロファイルです。

列ごとに異なることで指の迷いが少なくなり、また、高低差がさほど大きくないためにノートPCのキーボードに慣れた現代人にとって比較的違和感が生じにくくなっています。天面が広いこともMDAが好まれる理由のひとつでしょう。

デザイン的に言えば、これまでのどのキーキャップとも違い、モダンな印象を与えます。

また、いまのところMDAプロファイルのキーキャップはすべてPBTという材料を使っています。キーキャップの素材は様々ですが、多くはABSもしくはPBTとなります。GMKはABS製、シグネチャー・プラスティクスのSAやDSAはABSとPBTの両方があります。ABSはレジェンド(文字の刻印)ありならば2色成型、PBTは多くの場合ダイサブ=昇華印刷といった具合に、製造方法が異なります(PBTでも2色成型の場合もあります)。2色成型の方が文字がシャープという利点があり、インクを浸透させるダイサブではどうしても微妙に滲みが出てしまうのですが、PBTにはABSにない特徴があります。

ABSではタイピングしているうちにベタっとした感触が出てきてしまうのに対し、PBTは指が汗ばんで来てもさらっとして指離れがよいのです。ヘビーに使用してもキーにテカりが出にくい利点もあります(むしろABSのテカりを楽しむユーザーもいますので、これは好みです)。さらにうれしいのは打鍵音がおとなしいことです。PBTは普段使いするキーキャップにぴったりなのです。

日本で人気の分割レイアウトに対応

Corne

ところで、日本のキーボードシーンは分割キーボードの人気が高いことで知られています。Helixにはじまり、CorneやLily58、Fortitude60、Zincなど早くから様々な分割キーボードが発表され、いまもなお多くのスプリットキーボードが生まれています。

こうしたキーボードを組み立てる際に躓くのがその特殊なレイアウトに完全にフィットするキーキャップの入手です。世界的に販売されている多くのキーキャップはANSI配列(US配列)に準じたレイアウトに対応しています。中には、Planckなどのオーソリニア向けのセットもありますが、そうしたセットでも、たとえばCorneの親指部分に相当する1.5u(アルファベットのキーの幅を1uと言います。1.5uは1.5倍の幅を持っています)のブランクキーがあることはきわめて稀です。MDA Future Suzuriは、全キーが1uのオーソリニア配列(PlanckやLet’s Splitなど)はもちろん、Corneをはじめとする魅力的なレイアウトのキーボードにも対応する数少ないキーキャップセットなのです。

他に類を見ない豊富なコンベックスキー

convex keys

コンベックスとはスペースバーのように角がない形状を指します。親指の腹で押さえるスペースバーに角があったら痛いですよね。そのために角を落とし、丸みを備えているわけです。市販のキーボードが採用する古典的なレイアウトでは、親指で押すキーは長いスペースバーに限られていましたので、コンベックスとなるのは6.25uや7uなどのロングスペースバーに限られていました。最近ではショートスペース、スピリットスペースバーを使用するレイアウトが増えてきたこともあり、2u~3uなどのスペースにもコンベックスが用いられることが珍しくなくなってきています。とはいえ、分割キーボードにありがちな1uや1.25u、1.5uといった短いサイズのキーにコンベックスがあるものは珍しく、とくに1.25と1.5uはあまりお目にかかりません。

MDA Future Suzuriはこうした1u~3uまでのコンベックスを含んでいます。とりわけ1uについては複数のカラー、そしてノベルティが豊富にありますので、Future Suzuri以外のセットと組み合わせて楽しむことも出来ます。

40%から60%、TKLまで幅広く対応!

Aleth42

分割レイアウトへの対応に加えて、昨今の日本のキーボードシーンで増えてきた一体型の40%にも対応しています。40%のレイアウトはAleth42(数字行を持つAleth54も相当)などのJD40系を元にしました。JD40系では、Aの左側に1.25uのTAB、Lの右に1.75uのENTER(MDA Future SuzuriではホウキボシのノベルティもしくはCAPS位置のFUTURE刻印のキー使用を想定)、Zの左に1.75uのSHIFT、>の右(もしくは>の位置)に1.25uのFNを置くレイアウトになります。M0ii0も同様のキーが必要になります。

※残念ながら、MiniVan系レイアウトには未対応です。これはMiniVanが必要とする一部特殊キーの金型がメーカーに存在しないためです。

こうした40%レイアウトのほか、60%、そしてTKLまでと、幅広いレイアウトに対応。ノベルティキーを組み合わせることで65%レイアウトにも適合します。

多くのキーキャップセットは、基本となるベースキットに、40%用キットやノベルティキットなど複数のチャイルドキットが別売りとして設定されることが多いですが、MDA Future Suzuriはすべてを含むオールインワンのセットとなります。

65% slate

ISOやJIS配列にも対応!

MDA Future Suzuri All-in-one

さらにさらに! なんとMDA Future SuzuriはISO配列やJIS配列にも簡易的に対応しています。

ANSI配列(US配列)と比べ、ISOやJIS配列は記号キーのアサインが異なっています。また、独自の記号キーも存在します。ISOやJIS配列を使用するユーザーがANSIの一般的なキーキャップを使う際には、キーキャップに書かれた数字列の記号が実際の入力と一致しません。ブラインドタッチをするようになればキーのレジェンドはあまり関係ありませんが、とはいえ、キーキャップの刻印と入力内容が異なるというのはあまり気持ちの良いものではありません。

MDA Future Suzuriはモノレジェンド、つまり1つのキーに複数の文字を持たない仕様ですので、そもそも数字キーに記号がなく、この不一致を避けることが出来ます。また、ISOやJISのトレードマークになっている大きな逆L字のエンターキーや、その周辺のANSIにはない記号キーについてもFuture Suzuriには含まれています(繰り返しますがモノレジェンドです)。

なお、市販のJIS用キーボードには多くの場合適合しません。スペースバーのある列の仕様が一定ではないためです。Future Suzuriでは、ISOレイアウトに対応したキーボード(スペースバーが6.25uもしくは7uのもの)をJIS風に使ったり、あるいは分割キーボードなどをJIS風に使うことを想定しています。

ストイックなブランクキット

2021年の春に行われたMDA Future SuzuriのICの結果から、ブランクキット、つまりレジェンド(文字)のないセットを用意しました。キー数は通常のセットと同じで、単に文字や記号の印字が一切ないものとなります。

キーボードに文字は要らないというストイックな方、あるいはご自身でDIYダイサブをされる方に向けた特別なキットです。2019年に開催したMDA ORTHO VoIDのGBの際には遊舎工房限定でブランクキットの販売がありましたが、とても人気でした。この機会を逃すと二度と手に入らなくなる可能性が高いです。

質の高いノベルティデザイン

Planck

MDA Future Suzuriは禅テイストにヴェイパーウェイヴ風味を加えた日本発らしいモダンなデザインを目指しました。キーキャップの肝となるノベルティには、ドラわんさんが素晴らしいアイコンを描いてくれています。実は、これらのノベルティに決定するまでにはいくつもの候補をいただきました。それらの中から悩みに悩んで厳選されたものだけが残っています。力強い筆づかいを感じるこれらのノベルティが、Future Suzuriを他のキーキャップとは違った特別なものとしてくれることは間違いありません。

なお、ノベルティにはそれぞれ名前が付けられています。

  • Vaporwave Akebono 
  • Uzumaki
  • Houkiboshi
  • Gibon Triangle
  • Rainy Planet
  • Kadomatsu

ドラわんさんからのコメント

禅書画の情景とデジタルなレトロフューチャーを想像し、静謐な雲模様や墨の混淆とをブラシストロークに見立て構成したデザインになります。 ○△記号は、200年程前の難解な禅書「仙厓義梵 ○△□」の禅への飽くなき追求心とキーボード道の類似より着想を得ています。 デスクマットは黒地に黒模様で、硯の摺り墨が雲のように広がる様をイメージした図柄です。

Future Suzuriテーマのデスクマットも

上記のドラわんさんのコメントにもあるように、MDA Future Suzuriのためにドラわんさんが特別にデザインしたデスクマットをご用意しました。これまたシンプルでいて奥深い優れたデザインですので、ぜひこの機会に手に入れてください。

GBはコミュニティ主導の製品づくりです

冒頭でもふれた通り、このキーキャップはGBとなります。GBというのはGroup Buy、日本語にすると共同購入のことです。カスタムキーボードの世界では、キーボードキットやキーキャップを販売する際にGBを行うことがよく見られます。需要が不透明な商品の場合に、事前に購入希望者を募って代金を集め、その数量を工場に発注する形を取ることでニッチな商品の生産を可能とするのです。在庫販売の場合は需要が予想を超えてしまうと争奪戦になりますが、GBならば希望数が製造されますので参加することで入手が約束されますし、在庫のリスクがない分、価格を抑えることが出来ます。

また、GBが開催される前の段階で行われるICの存在も重要です。ICとはInterest Checkの略。コミュニティの中に興味がある人がどれだけいるかの確認をし、改良の余地があるかどうかを知る貴重な場です。GBの企画者は、まずICを行ってコミュニティの意見に耳を傾け、より望まれる商品へとブラッシュアップしてGBのフェーズへと移行することになります。

MDA Future Suzuriについても2021年の春にまず国内でICを行って様々な意見を頂戴しました(当時はMDA SUMIというう名前でした)。さらにその後、海外向けにGeekHackでICを行っています。より多くのコンベックスキーやISOエンター、CAPSキーのレジェンド変更、60%、65%対応などはそうした中で寄せられたコミュニティの意見を吸い上げた結果です。ICにご協力いただいたみなさんにお礼申し上げます。

MOQを達成させよう

このように趣味性が高く、大量生産が見込めない商品ではGBはとても有用です。とはいえ、工場を動かすためにはMOQ(最低発注数)が付き物。当然、MDAにもMOQがあり、その数は他のキーキャッププロファイルに比べてかなり大きく、わたしが知る限り最大となります(MDA ORTHO VoIDの時の倍以上になりました)。

そのため、今回はわたし個人ではなく、遊舎工房にリードベンダーになっていただき、遊舎さんを窓口として世界中のキーボードショップが参加するグローバルなGBにする必要がありました。CannonKeys(US)、KBDfans(中国)、splitkb.com(EU)、prototypist(UK)、Daily Clack(AU)という著名なショップに賛同いただき、鉄壁の体制を整えています。

とはいえ、やはり主なターゲットは日本のシーンです。ぜひぜひみなさんにGB参加をしていただいて、MOQを達成し、MDA Future Suzuriをこの世に誕生させてください。GBはGBの企画・運営者だけでは実現しません。みなさんが欲しい!と手をあげてくださって、参加されることで初めて形になる流通の仕組みです。このGBがMOQ不達となるようだと、今後、MDAのセットにトライするデザイナーが現れる可能性は非常に小さくなると思われますし、わたし自身、MDA Future Suzuriが成功したとしても(もちろんするつもりですが)、当分の間、MDAのGBは行わないと思います。決してやりたくないわけではなく、やりたいのだけれどハードルが高いために気軽には手を出せないのです。逆に言えば、それだけ今回のFuture Suzuriは肝入りの企画です(具体的な交渉や調整に9カ月をかけています)。

日本のGB参加はこちらからどうぞ→遊舎工房のサイトへ

GBのご参加を心よりお待ちしております!

Get MDA Future Suzuri to type the future.

Cornelius
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